武士道【日本】

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[56]ほのか 08/05/05 12:40 kY0WAki2nG
上で幾人もの方々がおっしゃっているように「武士道」は江戸以前から存在しています。
確かに葉隠は江戸時代ですしそれ以前にはまだ武士道という明言化はされていませんが
戦国時代にはすでに士道という言葉があり、鎌倉時代には一所懸命があります。
思想として武士道が古来よりあったという事実は否定するだけ空しいものとなります。

ただし、そのように誤解される事そのものはあまり強く非難できません。
なぜならば、その誤解は「されても仕方の無い」ものだといえるからです。
つづく

[57]ほのか 08/05/05 12:40 kY0WAki2nG
初めに長文になること、連投になることをお詫びします。

武士道というものの中身のうち
「武士道とは死ぬことと見つけたり」という一節がありますが、
まずはこの一節のみについて述べさせていただきます。
これを単にスローガン、精神論としてとらえる向きが多いように思われます。


>>1氏の誤解は仕方が無い側面があるのです。
精神論、思想としてのみでは正しい理解へ到達することは無いでしょう。

本来はこの「死ぬことと見つけたり」を単独で一人歩きさせても何の意味もありませんが
ここでは古武道に関わるものの一人として、肉体的技術的側面からこの武士道、
正確にはその元となった士道について所感を述べていきたいと思います。

つづく
[58]ほのか 08/05/05 12:42 kY0WAki2nG
この「死ぬことと見つけたり」というものを精神性のみで解釈し、
その結果イメージされる武士が実戦で戦うと想像すると
以下のような連想へ容易に流されていきます。

「武士は死ぬことを恐れない」

「武士は敵の攻撃を恐れない」

「武士は防御を重視しない」

「武士は防御しない」

「武士は防御できない」

これは明文化するとだれもが「そんな馬鹿なこと連想するやつはいないよ」
と笑うと思いますが指摘されてみると無意識に似たようなイメージをもたれている方は意外と多いのではないでしょうか。

ここから武士道否定される方は
「そんな馬鹿げた考え方を実際していたはずが無い。つまり武士道は存在しない。」
もしくは
「そんな馬鹿げた考えに囚われているようなのが武士。そんな奴らは大したことはなかった」
と嘲笑するというわけです。

つづく
[59]ほのか 08/05/05 12:43 kY0WAki2nG
では「武士道とは死ぬこととみつけたり」が間違った武士道なのか?というと実はそうではありません。

どういうことでしょうか?
これは実地でなにかされている方ですら
誤解が解けないままという例もあり、はたして上手く説明できるか…自信がありません。

なるべく話をわかりやすくするため、あえてここでは武士の技術的な根拠にあげるものを
「入身」というテクニックのみに限定して述べていくこととします。

ここで書き込まれている方であれば入身などは当然ご存知の事と思いますが、
ここではあえて「知らない人に説明するように」述べていきます。
そのため単純で大雑把な事をえらそうに言いますがご容赦ください。

入身(いりみ)というのは極単純に説明すれば格闘技で言うところのカウンターと呼ばれるものに近い技術です。

入身とカウンターの大きな違いの一つは、カウンターは相手の「実際すでに繰り出されている素手の打撃」にのみ対応するために洗練されていった技術ですが、
入身は「未然の攻撃も含む。そして刃の付いた武器による攻撃も含む。」条件下でのカウンターということであります。
特にこの未然の攻撃に対してのカウンターとなると、未経験者にはただ単に先制攻撃しているシーンと何も変わって見えません。
入身の使えるものの戦いは「刀や槍を構える者相手に見た目大きく避けたり受け払ったりしているように見えず、あれ?あれ?と思っている間に手元まで入っていってしまう」ように見えます。

この入身という技術と概念は非常に古いものでしてそれこそ武士道などよりよほど古いものです。
確実に存在するとされる時期で言っても鎌倉期には存在しておりましたし、おそらく平安時代にはその萌芽があったといわれています。
つまり、鞍馬、鹿島、香取…剣術流派の発生と同時期にすでに存在していたテクニックです。
ただし、この時代入身を知り、学術的理解として知っていたものは武士の中でも一部のエリートのみでした。
実戦を通して勝手に身につけていたものは当然腐るほどいたと思われますが、自覚が無い以上あまり多くの資料は残っていません。
武士と名の付くもののほとんどがこの技術を自覚して修得するのは室町時代まで待たねばなりません。

>>51で述べられている倭寇の戦いぶりなどはまさしく入身の使えるもの特有の戦い方です。
普段通り体が動きさえすれば、どうせ相手の攻撃は当たらないのですから
どんどん前へ前へと攻め立てて行き、退がる必要が無いから退がらなかったということでしょう。

つづく
[60]ほのか 08/05/05 12:49 kY0WAki2nG

さてこの入身という技術を修得した武士にとって相手の攻撃を受けたり後や横に大きく退いて逃げるように戦うということは
あまり効率の良い戦術とはいえなくなってきます。

素人同士であれば上記の戦術は至極まっとうなものです。
相手の攻撃を受けないためには当然必要な行動が、入身を修得した武士にとっては「一手無駄なことをさせられた」という評価になって行きます。
お互いが初心者ならば、互いに攻撃されたら退き、やり過ごしてから今度はこちらが攻撃し、
といくらでも卓球のラリーのごとき勝負が続けられますが
攻撃する側が玄人ならば受けたり退いたりしているうちに流れを相手に持っていかれどんどんジリ貧になってしまうものです。

ところが入身が成功しさえすれば、相手はもうこちらを攻撃できません。
入身という技術をマスターしているならばさっさと自分から間合いを詰め、そのまま斬り殺してしまえばいいのです。
これほど最初から最後まで自分に有利に進められる戦術はありません。
(互いに入身を使える武士同士の場合、話はより複雑になります。
相手の入身を封じ、普通に受けたりかわしたりさせようと思えば相手より精度の高い入身を身につけることが結局一番ということになり
互いに入身の封じ合い、入り合いとなり外見は静かでも高速で熾烈な激戦になるのですが話の軸がぶれますので割愛します。)

しかしここで大きな問題が生じます。
それは人間には誰しも備わる「死への恐怖」です。
武士であっても死は恐ろしいものです。武士だって修行の途中であれば死が怖くて怖くて仕方がないのです。
たとえ練習では100%成功させるほど高い技術があっても自分からわざわざ前へ前へ行こうと言うのですから怖くないほうがどうかしています。
恐怖で足がすくめば入身は絵にかいた餅にすぎません。
ここで初めて「死ぬことを恐れてはならない」いっそ「もう自分は死んだものとして行動せよ」という精神論が具体的に役に立つ考え方と成ります。
「武士は死ぬことと見つけたり」というのはまさに武士(の能力を持っている者)が最も効率的に戦う(生き残る)ために必須の精神状態といえます。

この入身の修得から来る「こちらの攻撃はいつでも当てられるがお前の攻撃は俺には当たらない」という経験から来る自信はやがて戦いのみに留まらず、その人間のあらゆる言動に波及していきます。

つまり武士は何の根拠も無い状態から無理やり「死を恐れない事を強要される」のではありません。
まずはじめに幼少より鍛えこまれた具体的な技術があり、その自負の元、少しづつ普段の生活や人生の岐路における選択で「自分はもう死んだものとして」発言し行動する事が増えるようになっていくのです。

余談になりますがその行動力が最もピークまでいってしまったものが切腹になるわけです。
生き残るための精神状態としての「死への恐怖の克服」が極限まで完成した結果、自殺の恐怖を克服してしまったわけです。
本末転倒ですがそれほど死への恐怖を理性を保ったまま克服するということに挑んだものが多かった。
本気で挑んだものにしかわからないその困難さを知っているものが多いからこそ、自分で腹を割く事に賞賛と栄誉が与えられたわけです。

ところが現代はもとより、幕末期ですらこの入身一つ満足に出来ないまま「武士道」や「死ぬことと見つけたり」を地でいこうとする輩が大量に出現し、事態をややこしくすることとなってしまいました。
「傍目から見たら死んでしまうような窮地であっても技術的に言って俺には関係ないね。
ただ恐怖で体が動かないと技術が発揮できず困るので普段から死を覚悟して生活している。」
本来はこういう者にのみ初めて活きてくる思想を
それ以外の技術的に未発達な者が単なるスローガンとして一人歩きさせてしまッた結果、>>1のような誤解が根強く残るようになってしまったといえると思います。


>>39
以上の説明で申し上げたとおりむしろ赤穂浪士の時代や幕末『ですら』まだ色濃く「武士道」が生きていた
といえるのであって、江戸幕末や戦前に「武士道」が賞賛されていたことをもって、
それ以前に武士道が無かった、などということは成り立ちません。


最も武士道が色濃く残っていた時代は鎌倉、南北朝、戦国、江戸初期といって問題ないかと思われます。
そして江戸中期以降と幕末、戦前は武士道の再評価の時期だったといえるでしょう。


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